【07/03(H):ヴィアティン三重】ジャイアントでもなんでもなく
出先の会議が終わり、電車に乗った。
この時点で平塚駅到着予定時刻は20時。すでにキックオフには間に合わない。試合に間に合わない私を、ゴールシーンが観られなかったと後悔させるくらいの活躍をしてほしいとツイートした。
が、結末は知っての通りだ。
いつものように遅れる東海道本線。
茅ヶ崎駅での荷物挟まりなどのトラブルを経て平塚に降りた時、スマホの画面が示すスコアは0-1だった。
朝止めておいた自転車を駆る。
ワゴン車に幅寄せされながらShonan BMWスタジアム平塚へと急ぐ。
いつもの見慣れたホームスタジアムが見えると、観戦バスで200人を超える動員で来ていると聞くヴィアティン三重サポーターの逞しい声援が聞こえる。
完全なる異常事態だ。
チケットを取り出し、もぎりを受け湘南側の入り口を入って見たのは0-2のスコアだった。
おかしい。
平塚駅を出た時は0-1だったはずだ。
それよりもスタジアムの観客席がざわざわとしている。
困惑、ため息、文句、そしてチャント。
今日2回目に感じた異常事態だ。
妻は先乗りしている。2列目の席でコールリーダーの北側と聞いていた。しかし、それよりも何よりも今いる場所で声を上げずにはいられなかった。
カバンに忍ばせたユニフォームも取り出すことなく、通路に立ち声を上げることにした。するとものの数回のタッチで最終ラインまで戻されてしまう。DFの選手がトラップかパスか判断を誤ったのだろうミスをしてしまう。溢れたボールを背番号6:坂井 将吾選手に押し込まれてしまう。
悪夢でもなんでもない、
現実にやられていく様がそこにあった。
より近くで声を出したい。
妻の近くへ向かおうと動き出すのに数分がたっていた。幸か不幸か私の声はやかましい。やかましい声を出したまま、ゴール裏のサポーター集団の周りを歩いて妻を探す。
この試合展開で座って見ているサポーターには怒りとも呆れとも、喜怒哀楽のどれともつかない表現しがたい表情をしている。
コールリーダーは必死だ。
選手を呼び込みたい。なんとかして点を取らせたい。考えうるチャントの組み立てをしただろう。現にスタジアム入りしてからというもの、チャントに切れ間があったかどうか記憶が定かでない。
そのあとの記憶は曖昧だ。
たぶん4失点目をした記憶がある。
80分過ぎで4点のビハインドを埋めるなら2分半に1点決めないと追いつけもしない。しかし効果的な攻撃もできず、相手を脅かすミドルも打てず、一人かわすと空いている広大なスペースへ背番号26:山口和樹選手にドリブルでゴール前まで行って欲しかったが、流石に脚はもう残っていなかった。
ヴィアティン三重は強かった。
挨拶に来た選手には「やるしかねぇだろ」とコールリーダーはゲキを飛ばした。これは広島でも聞いた。これはまぎれもないブーイングのひとつだ。
聞こえてくるヴィアティン三重サポーターからのベルマーレコール。心底悔しかった。コールリーダーも「これに俺は返事できないよ」と訴える。目のあった私は「やりたくない」と首を横に振った。
湘南ベルマーレは弱かった。
カテゴリの差からジャイアントキリングと言われて仕方ないが、ジャイアントと称するにはあまりにも弱かった。こんな気持ちは今日で殺したい。
J1の底辺のスタジアムでも憧れと称し、J1の底辺の予算規模のチームをジャイアントと称し殺してくれたヴィアティン三重から「やるべきことをちゃんとやれば勝てる」を学びたい。
日曜日はどんなに無様でも勝利しか必要ない。